診察室や待合室など、当院の壁は全て漆喰(しっくい)です。その効果とは・・・

漆喰は、サンゴの化石を焼いてつくられた ”消石灰”と呼ばれるものを主原料とした自然素材であるとアピールされています。

そんな漆喰を壁に使用する歴史はとても古く、例えば今から5千年前にエジプトのピラミッドに使われたのが起源であると文献に記されていることに始まり、古代ギリシャやローマ時代の建築物にも活用されていたことが周知となっています。古来より除菌・抗菌・防カビ等さまざまな効果があると言い伝えられてきたようですが、現代においてはその効果が科学的データにより実証されており、クリニックのみならず一般的な建造物で使用される塩化ビニール樹脂を主原料としたいわゆる壁紙と比較すると、以下のような特徴がありました。

1. ウイルスの不活化
「インフルエンザウイルス」や「新型コロナウイルス」に対して不活化させる作用があります。
長崎大学高度感染症研究センター 漆喰塗料の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化を実証 <わずか接触5分で99.9%以上を不活化> の2020年10月5日付けニュースリリースより


人間同士の感染予防を保証するものではないでしょうが、漆喰壁で囲まれた空間ではこのようにウイルス増殖抑制機能を有していることから、少しでも患者様が安心してご来院していただけるよう、当院では壁に漆喰を採用いたしました。

2. 咳やくしゃみなどの飛沫に対応する強アルカリ性
咳やくしゃみによる飛沫が漆喰壁の表面へ付着すると、漆喰の主成分 ”消石灰” が飛沫中に存在していたウイルスへ溶け出すことで強アルカリ性に作用し、結果的にウイルスの細胞膜を破壊 / 変形させることで不活化へ至るとのことです。

3. 優れた耐火性
国土交通省告示 第1178号によると、漆喰は不燃材料と定められています。不燃材料とは『材料を加熱したときに、燃えない時間が20分間続く』と定義されていますが、たとえば漆喰壁のフロアで失火したとしても、火が燃え広がりづらい特性から、防火対策という観点からも漆喰は優れているのではないでしょうか。建築基準法における防火材料は3種類あって、不燃材料(20分間)、準不燃材料(10分間)、難燃材料(5分間)と定められている中、漆喰は燃えない時間が最も継続する材料ということですね。

尚、万が一火災が発生した際、当院の非常はしごは四ツ目通り側のベランダに設置されており、1階ファミリーマート前の広いオープンスペースへと繋がっています。東京都から指定されている当院の避難場所は、眼下に広がる錦糸公園ですので延焼火災の際にも安全が確保しやすいです。ちなみに消火栓も四ツ目通り沿いかつ当院の目の前にあることを確認していますが、信号2つしか離れていない(直線距離で400mでした)本所消防署から消防車が来て頂けたら、消火栓のそばという立地もあり速やかな消火活動が期待できると個人的には思っています。

閑話休題、、、このように健康面や安全面でメリットが多い漆喰ですが、良いことばかりでもなくデメリットもあります。 ひび割れです‼ 「ひどくなってきたら壁を手入れしないと・・・」と院長を悩ます効果もありました💦