検査

当院で行っている検査

ダーモスコピー

ダーモスコープと呼ばれる照明の付いた拡大鏡を用いて、表皮から真皮の浅い層までの色調などを拡大して病変の状態を調べていくのがダーモスコピーです。まったく痛みを伴わない検査で、健康保険も適用されています（自己負担：数百円）。当院ではカメラでの撮影も可能なダーモスコープもあり、経過観察が必要な場合には写真で記録をしていきます。
ほくろやしみをダーモスコープで観察した場合、色素沈着の状態が詳しく診察できます。
ほくろが良性のもの（色素性母斑）なのか悪性のもの（メラノーマ）なのか、シミが良性のもの（脂漏性角化症や老人性色素斑）なのか悪性のもの（メラノーマ、基底細胞がん）なのかが、目でみる視診だけよりもより確実に診断ができます。

皮膚生検術・病理組織検査

患部の皮膚組織の一部あるいは全部を採取して病理組織標本を作製することを皮膚生検術と言い、作製した病理組織標本を顕微鏡で詳細に調べ、確定診断をつける検査のことを病理組織検査と言います。目で見る視診、ダーモスコープによるダーモスコピーよりもさらに詳しく細胞のレベルで診断をつけるため、この検査による診断が最も信頼性が高いと言えます。

顕微鏡検査

皮膚科で行う顕微鏡検査は、真菌感染による皮膚疾患が考えられる場合によく用いられます。具体的には、足白癬（水虫）、爪白癬、体部白癬、カンジダ症といったもので、病変が疑われる皮膚などを擦るなどして採取し、専用の液体で皮膚のたんぱく質を溶かして見やすくし、それを顕微鏡で見ます。この検査で真菌が発見されると上記で挙げた病気であると診断されます。水虫などの病気が疑われる場合は必ず顕微鏡検査をし、原因菌が確認されてはじめて足白癬と診断ができます。時に自己判断で市販の外用薬を使用し、足の症状を悪化させてしまう方がいらっしゃいます。水虫に見えて実は水虫ではない足の皮膚疾患があり、皮膚科医であっても見た目だけでは診断がつかないくらいであるため、顕微鏡検査を受け確定診断をつけてから水虫の治療を始めることをおすすめします。

アレルギー検査

皮膚疾患の中には、何らかのアレルギー反応が原因あるいは悪化原因となっている場合があります。そのような状態を疑った場合に行う検査です。アレルギーを起こしやすい体質であるかどうかを調べる検査を「非特異的IgE検査」といい、どのような原因物質にアレルギーがあるか、あるいはある特定の物質にアレルギーがあるかどうかを調べる検査を「特異的IgE検査」と言います。ご自身が何にアレルギーがあるか特定できないという場合には、View39検査という、39種類のアレルゲン（ペット、ダニ、カビ、樹木、花粉、食物 など）を一度に検査することができます。赤ちゃんやお子さんで採血が難しい方には、「イムノファストチェック」という指先からの数滴の採血で8項目を調べることができる検査があります。

View39検査

通常、特異的IgE検査1項目をすると保険適用3割負担で840円です。View39検査は13項目の検査費用と同じ価格（3割負担4,800円）で39項目のアレルギー検査が一度の採血でできます。
※初診料、再診料が別途かかります。

• 問診から原因のアレルゲンが推定できない患者さんのスクリーニング検査として有用です。
• 測定可能な39項目
  ・吸入系 、その他アレルゲン（19項目）
  ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト1、ネコ皮屑、イヌ皮屑、ガ、ゴキブリ、スギ、ヒノキ、ハンノキ(属)、シラカンバ(属)、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、アルテルナリア(ススカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア(属)、ラテックス
  ・食物系アレルゲン（20項目）
  卵白、オボムコイド、ミルク、小麦、ピーナッツ、大豆、米、ゴマ、ソバ、エビ、カニ、キウイ、リンゴ、バナナ、マグロ、サケ、サバ、牛肉、鶏肉、豚肉

イムノファストチェック

指先から少量を採血するだけで次の6つの項目のアレルギー検査が行えます。検査結果は20分ほどで出ます。

• イムファストチェックJ1
  スギ花粉／ヤケヒョウヒダニ／ネコ上皮
• イムファストチェックJ2
  卵白／牛乳／小麦

採血が苦手な方やお子様でもストレスが少なく検査を受けることが可能です。
お子様の食物アレルギーの有無のチェックや大人の方でスギ花粉アレルギーの有無を知りたい方などに有用です。

パッチテスト

主に接触皮膚炎（かぶれ）の原因を特定させるために行います。原因と疑われる物質を含んだものを背中もしくは二の腕に貼付し、皮膚反応を見るというものです。
ジャパニーズスタンダードアレルゲンといって、日本人がかぶれを起こしやすいとされる原因物質を25種類ほど選定したものがあり、その中から、21種類のアレルゲンをセットしてあるパッチテストパネル（S)を使用して検査を行います。貼付してから48時間後、72時間後、1週間後に判定します。皮膚状態（発疹、発赤、かゆみ など）の有無と程度により、アレルギーの有無、何に対するアレルギー反応かを調べることができます。複数日の来院が必要となりますので検査をご希望の際には予約制とさせていただきます。ご相談下さい。